限られた時間を使い食事にいらしてくださるお客様をなるべくお待たせしないように事前に可能な仕込みはきっちり、綿密にを毎営業ごとに行います。あくまでできるところまでですが。写真は青ウリとミョウガのピクルス、オクラのピュレ、ラタトゥイユ、まくわ瓜のピクルスです。このような美味しさのピークが1日変わらないものはしっかり準備します。それらに対し温野菜や魚や肉は作り立てが美味しさのピークです。あとは冷めていくにつれ・・・なので当然素材を焼いたり盛り付けたりはお客様来店後、提供時にします。
また当店オープンキッチンなので間がもたず、ほんの少しの空白が悪目立ちしてしまいそうで、怖いところです。
あと、せっかくレストランにきてのお食事ですから、主素材にソースのみのような簡素な盛り付けはしたくない。スピードを求めても見た目、味の設定ラインは高く保ちたい。でもパーツを増やしすぎ、盛り付けに時間をかけると焼きたての魚や肉が冷めてしまう。それらせめぎあいに向き合いながら日々調理しています。主素材も付け合わせもソースも同時並行、皿をしっかり温め、見なくとも音で判断。もっといいやり方がないか思考する。料理人は皆そんなの当たり前にやっていて私なんか本当にまだまだです。
ほとんどのお客様は料理人の理屈に関心はなく、シンプルに居心地の良さとか美味しさとかが全てです。そんな中、興味をもたれる方が一部いらっしゃいます。その際は意図を明確にお伝えしたいとおもっています。なんでこうして、こうなっているのかをしっかり説明するためには筋が通ってないとできません。つまり脈絡のない素材の組み合わせや意図のない素材の形状変化は料理の見た目の美しさに貢献するかもしれませんが、当店ではとりいれないところです。
いろいろ考えても、お客様を前にすると毎回夢中で集中して精一杯です。僅かずつでもスキルをあげていきたいです。