香取市の北総豚でロースハムを仕込みました。塩漬けし、燻製し、ボイルします。他社から出来上がったハムを買わないのは亜硝酸ナトリウム、いわゆる発色剤が嫌だからです。
添加物はしかるべき認可を受け、安全性が保証されています。発色剤を入れると豚肉はきれいなピンクになります。ただ味は変わらないです。加工肉の職人さんが教えてくれました。「亜硝酸は発色もそうだが、保存性も高まる。」と。それはつまり「強い薬」ということでもあります。
以前働いてきたところは普通に亜硝酸ナトリウムを入れていました。各テキストにも必ずのっています。仕込んでだらだら保存せずどんどん使っていけばいいと。自然な肉の色合いも悪くないと、味が良くなることはないし、だんだん添加物使用を疑問に感じていました。
ミシュランガイド星付き店のローブリューがハム、ベーコン、テリーヌを亜硝酸なしでつくっています。あの豚肉料理の名店がです。それを知って切り替えました。
ボイルする液体を使用後沸かし冷凍保存し、繰り返し使います。野菜や豚の旨みがたっぷりでこのスープで煮たらなんでも美味しくなりそうです。また最初にいい豚肉を手に入れること、各工程の精度を高めることが出来上がりを左右します。
長い間受け継がれてきた技術です。大切に丁寧にしていきたいです。