前回、フォンドヴォーについて述べました。よく使用する代表的な出汁です。意図を明確に仕込みます。
徹底的にあく取りし、クリアーな仕上がりを目指します。見た目も味わいもです。そうすると濾して、煮詰めた後も旨味があり、かついやなところがないです。仔牛骨を焼くと、香ばしくパワフルなおいしい仕上がりですが、当店は焼いていません。焼かないほうがたくさんあくがでて、あく取りすることでより澄んだ出汁がとれることに気づいたためです。またソースにしたとき、ワインや香草、エシャロット、ビネガー等をより生かすのは『焼かない』フォンドヴォーのようです。あくまで私個人の好みです。各料理人にそれぞれの正解があると思います。
また常に一定の仕上がりを目指します。ベースの出汁が一定なら営業中のソース仕上げもぶれないと思います。ここをおさえておけば例えば、今日は蒸し暑いからソース少し軽めにとか、調整が容易です。フォンドヴォーは1日中ガスにかけています。その間営業をはさみ火加減だったり、場所だったり、注意です。特に最後の煮詰め具合、大事です。
早朝からスタートしても仕上げて、冷やして、冷蔵庫にいれるころは深夜です。時間、手間かかりますが、とても大事で作り続けていきたい出汁の1つです。